軽井沢の山麓に佇むSENSE OF WONDERのショールームは、
『本来人が還りたくなる家』をコンセプトに、
伝えたいいくつかのストーリーを、空間にしたためています。
ここを訪れた方が一番驚くのは、
「見せる」ためではなく、ほんとうに「暮らす」ための空間であること。
座ったり、寝転んだり、食事したり、仕事したり。
そんな生活様式の動線も描かれた、
コンセプチュアルな一軒家を少しずつご紹介しましょう。
まず誰もが最も感じるのは、「自然と共生する家」であること。
人が健康的に生活できる家とは、
太陽、風、緑などの自然の要素を、
寄り添うように感じられることが大切。
移ろいゆく二十四節気の自然を、
いかに住空間に調和させていくかを考えた構成となっています。
こちらは開放感のあるリビング。
大きな窓の向こうに眺む、豊かな自然景観を基調にしています。
くつろぐ時間にいつでも緑が視界いっぱいに映るように、
窓に向かって、ligne roset togo(リーン・ロゼ トーゴー)のソファが鎮座。
一度腰を掛ければ体全体が包み込まれ、居心地の良さを一瞬で体感できます。
また、空間全体の雰囲気を司どる大きな家具だけに
色味の選びもポイントになります。
一般的に「飽きのこない」を重視するとブラウン系に収まりがちですが、
ウッドのやわらかい質感や豊かな草木と相性がいい、
淡いモスグリーンをセレクトしています。
また部屋に温もりをプラスするのは、
高さ3.5メートルの煙突がそびえる薪ストーブ。
ゆらめく炎やパチパチとはぜる薪の音で、
自然の恵を五感で受けとることができます。
こちらはバスルーム。
窓のフレームから覗く緑と空のコントラストが映えるように
ナチュラルなヒノキ素材のバスグッズを揃えました。
そしてリビングから続くのは、広めのウッドデッキテラス。
家の中で最大に自然と繋がることができるこの空間は、
透明アクリルの柵で視界を最大限に広げました。
家の周りには、自然界を形成するスケール、色、素材が存在します。 それらに対して調和するように、
主張しすぎないデザイン家具を配置しました。
Komforta(コンフォルタ)のハンモックチェアに身を委ね、
鳥のさえずりに耳を傾ければ、
体の細部まで解れるような時間が静かに流れます。
この2Fのワークスペースにもご注目を。
デスクに向かうと、豊かな木々が目に飛び込んできます。
みずみずしい山々を感じながら、集中する時間を過ごす。
柔らかな日差しの中で、いつも以上に読書にふける。
時折目線を遠くに投げて、視覚で癒される。
都会で過ごす仕事時の何倍も作業がはかどったり、
インスピレーションが湧いたりするかもしれません。
そしてこの2Fの居間は、あえて「物を置かない」選択をしています。
それは、日本に息づく「禅」のような、
無駄を省き、ありのままの自然美を愛でる空間を目指したが所以。
ぜひ床に横になり、天井を見上げてください。
天窓の向こうに葉々がゆれ、いつだって得られるリラクゼーションがあります。
目を閉じると外の静けさに気づき、
それが妙に体に馴染んで、呼吸が深くなるのを感じられると思います。
自然は、時にも季節にも常に変化します。
だからこそ、それと共生する時間への興味は尽きないもの。
SENSE OF WONDERは、木や土、紙や綿など、
自然に還る柔らかくて儚い、
自然のサイクルと同調する素材に美意識を感じます。
また、その土地ならではの温度や湿度に
マッチする家具選びが大切なんだと思います。
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